2015年夏(Class of 2017)からの米国MBA留学を目指す、某仕事人の軌跡

2010年10月16日土曜日

HKS (Harvard Kennedy School)ビジットレポート

せっかくHBSまで来るのだからHKSも見ようと思い、ビジット出発直前に東京で会ったHBS・HKS Dual degree卒業生から紹介してもらっていた方とお会いした。

【HKS日本人在校生の方との面談】

結構年上の方だったので話を伺うと、ミドルキャリア向けの1年プログラムで留学されている方だった。

ざっくばらんに話したが、自分はMBAとのDual degreeを前提としている点、年齢差が10歳ほどあった点から、あまり話が噛み合わず30分程度で話がもたなくなり終了。以下聴取した情報を箇条書き。

・HKSには様々なプログラムが全5つ用意されている。
MPP:米国官僚向けに用意されたプログラムで、ほぼアメリカ人が受講する
MPA:所謂一般的な公共政策修士プログラム
MPA2:(忘れた)
MPA-ID:各国財務省または政府系金融機関向けのプログラム。勤務経験最低7年必要。
MPA Mid Career:MBAで言えばExective1年コースで、ミドルキャリア向けプログラム

・HKSに来る前は広告代理店にいたが、政府系シンクタンクに出向していた経験もあり、また一企業だけでなく広い視野から物事を考える力が欲しくてHKSに留学した

・全コースで約900人在籍。内日本人は全コースで11人。

・International比率が6割と高い

・今までは漠然としたイメージで政治や社会問題(政策的なアプローチという意味で)を捉えてきたが、HKSで世界中から来た学生達と具体的にそれらについて語ることで、リアルに理解を深めることができるようになった。

この後授業を聴講することとなったが、その在校生の授業はなかったので、大教室で適当に聴講しようということになり、それらしいところを探し当てた。「じゃ、あとは自分で教授に許可取って聴講するならして下さい。」と割とそっけないパスを出され、彼はその場を後にした。

【Health care】

あっさりと聴講許可が出たので授業に参加することに。受講生の顔触れをみると、年齢がバラバラで、出席者間の会話があまりない様子が伺えた。授業テーマは「Private ssectorのInsurance companyが国家のHealth care systemにおいていかなる機能を果たしているか」だった。ゲストスピーカーを招き、講義形式で授業が行われた。この日も時差調整が済んでいないお陰で、どうしようもなく耐えがたい睡魔に襲われ、気合で目を開けているのがやっとで、ほとんど授業内容は頭に入らなかった。(本当に申し訳ありませんでした・・・)


HBSの方との夕食が当初より遅れたので、会社先輩(この方だけにはMBA留学のことを本音で話している)から紹介してもらったHKSの別の日本人在校生に連絡してみた。偶然にも都合がいいらしく、すぐに会うことに。

【日本人在校生とのプチ飲み】

かなり気さくな方で、会うなり簡単にキャンパスの紹介をしてくれた。


17時を回っていたこともあり、「軽く一杯いきますか」とお誘い頂き、近くのBarへ。HKSの在校生御用達の場所で、国の行く末や理想像を語り合う議論が日夜繰り広げられているという。

この方は4年間日系メーカーで研究職として働いた後、海外で力を発揮したくなり、外資大手IT企業の研究職の門を叩いた。すると直接外国人の研究職を雇うつもりはないが、日系メーカーと米国に合弁会社を作っているので、形式的にはその日系メーカーへ転職してもらい、すぐにその合弁会社へ出向する段取りとすることで内諾したい、との回答があり、日系メーカーに転職。

4年間駐在生活を送り、研究職以外の力をつけたいとの理由から社費でMBA(MIT Sloan Extectiveコース)留学を経験した。HKSには、現在関わっているビジネスが政策や規制と密接に絡む原子力発電事業であることから、政府サイドからの視点でものごとを捉え、かつ世界的なネットワークを構築するため、留学を志願、社費で1年間留学しているという、少々変わったキャリアの方だった。

かなり前向きでパッションを持った方だったので、ついつい自分もいつもの熱い語りになり、海外留学を志す根幹となる意識について語った。

依然高いIntegrityを持つ日本国民ではあるが、今後は高齢化のHeavy loadを抱え人口は減少を継続、日本が生き残っていくためには①海外のライバル達と伍していく国際競争力(競争力の定義は様々だが、経済力を軸として話したい)を純血主義を貫いたまま保持するか、②国境を開放し世界から労働力を集め、衰える国力の下支えをし、外資規制を緩和し日本経済をより解放するしかないと考えている。

つまり、鎖国しながら自前で海外と戦うか、開国し海外の力を利用し生き残るという2つの選択になるのだと。前者は純血主義と言っても、海外とアライアンスを組むなり飽和する日本市場以外へJapan projectを輸出する(経産省が旗振りしている新経済成長戦略に見られる)など、海外で戦っていかねばならず、後者は勿論日本に外国人が増えるのであるから、いずれの選択肢をとるにしても、海外への強い関心と、国際コミュニケーション能力(英語力・異文化理解力)が必要不可欠なのである。

翻って周りに目を向けてみると、政治家はコロコロ変わり国のビジョンを明確に打ち出せず、未来を担っていくべき若者は内向きのリスク回避志向が強まる傾向にあり、こんな日本を憂う政治論を年齢構わず誰としようともまともに議論ができる状況にない(知識不足と政治について語るのを半ばタブー視する社会的風潮)など、書けばキリのない程日本には問題が山積している。

今後国境が益々意味をなくす世界のダイナミズムの中で、このような問題意識を自分が抱えているなら、まずは自分が海外に飛び出して力を蓄えて、一人でも多くの国際感覚、国際競争力を持った日本人を増やそう、というのが根底にある。

これが源流となり現在の自分が属する民間セクター、総合商社、金融事業などとブレイクダウンした結果ビジネスを学ぶMBAに行き着いたのである。その一方で、源流から日本の国家戦略として語るのであれば、すなわち政策であり、公共政策を学ぶというのは十分意義のあることであると思いKennedy校とのDual degreeに挑戦してみようかと思っていると話した。

「源流の問題意識が日本の国家論に関わるものであれば、MPA(中でもHKSは絶品)は勉強するには絶好の環境だし、むしろHKSだけへの留学でも十分Make senseすると思う。ただ実際問題Government sectorは稼げないから、Dual degreeでビジネススクールを卒業して財産を築いてから、政界に転身するなんていうのもいいかもね(苦笑)」

と笑いを交えながら真剣に答えてくれ、更にHKSのDual degreeはMBAと出願する同タイミングで合格しないと実現できないこと、Harvard以外のMBAとのDual degreeもできる(その場合、1年目MBA→2年目MPA、3年目半々となる)ことを教えてくてくれた。

こんな熱い語りをしながらも、実は風邪で無理をおしながら在校生の方のペースでビールを飲み、かなり意識が朦朧としていたため、先方のありがたい御話を記憶にあまり留められなかったのは少々残念だった。だが、その他にはこんなことを話したと記憶している。

・HKSに入ってよかったのは、政府系の人間が何を考えているかを、彼らのコミュニティに入って初めて理解ができたこと。

・HKSでは高度な政治の議論をする機会が多いので、MBAで土台を作ってからHKSに来るといい

・HKSにはResearch fellowsという研究専門職の方がおり、Study groupなどで身近な接点を持つことができる。

・日本人からは政府各省(外務省、財務省等)、各省傘下(JICA、JETRO)、日銀など政府系の方が多数を占めるが、最近は民間も増えてきた。

終盤は受験についてのアドバイスタイムになった。面白かったのは、MBA留学を道半ばに諦めた人の多さについての話。毎年Top10校に合格するのはざっくり10人程度、そのうち半数は被っているので、5人×10校=毎年100人くらい留学を実現している計算になる。(いかにも研究職らしい分析。蛇足。)だが毎年夏に開催されるアドミの学校説明会に行けばそれを遥かに超える人がいるのに気づくだろう。即ちそれは、諦める人間がいかに多いかを如実に示している、と。結局多くの日本人志願者は中途半端に英語を勉強した揚句、テストで結果が出ず、時間が経ち尻すぼみに諦めてしまう人が多い、という話だった。

TOEFLも難しいし、GMATも難しい。だらだらやると本当に時間があっと言う間に過ぎてしまうので、緊張感を持って、短期集中で結果を出せる様、冗談じゃなく死に物狂いで頑張ってください、そしてまずはビジットから帰ったら即刻TOEFLの試験を今月中に受け、以降は最低月1回は受けるようしてください、とのメッセージをくれた。

こういう厳しいことを言ってくれる人がどれだけ有難いか身にしみながら、合格への決意を新たに、別れを告げた。



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