2015年夏(Class of 2017)からの米国MBA留学を目指す、某仕事人の軌跡

2010年10月22日金曜日

米国東海岸ビジット総括

今回の東海岸ビジットを経て、実に多くの学びと、課題と、反省が得られた。

◆スクールの特徴

まず、各スクールの特徴がはっきりとしていることがわかった。

Top校の在校生と話していて、「まずは受かってから考えるべき。最終的には米国ならTop5のどこかに行ければ、どこの学校でも学びたいことを学べるし、あまり変わらないよ。」と聞くことは今回ビジットを含めて多いが、とはいえ授業のスタイルや集まってくる学生には相当程度違いがあることを実感した。

色んな切り方はあるが、一つ書いてみるなら、こんなのがあるかと思う。


横軸が授業の傾向、縦軸が卒業後輩出する人間の傾向、という軸で切ってみた。

授業がConceptualでLeaderやGeneral managerを輩出することを狙っているのがHBS。その教育システムは、賛否両論あるが少なくとも自分は魅力を感じた。限りなく実務者を求めるMIT、研究者気質を持ったChicago、金融業界の実務者を送り出すWharton、といった様に、自分の中ではこの様にざっくり整理した。

ビジットを通して、行きたいところは見つかった?と聞かれれば、HBSかChicago、というのが現時点での回答。

HBSは最もUncomfortableな環境だったから、逆に成長の場になるだろうと思った。今の会社に貼った時の動機と極めて近い。自分は元来アウトローにガンガン道なき道を切り開くときに一番ドライブがかかる人間。伝統的なCommunityは息苦しいし、前例踏襲なんてクソ喰らえと思って生きてきた。

ただMajorityの考え、EstablishmentされたCommunityの価値観がわからなければ、大きな動きを世の中に仕掛けていくことには限界がある。敢えて対極的な思想で動く人間の中に身を投じることで、彼らの考えがわかり、自分自身も今までにない思考回路を身につけることができるかもしれない。

それでいて、個性を失わずにいれば、その組織に新たな思想を流しこめるかもしれないし、いつかその環境を飛び出しても、Majorityの考えがわかったアウトローとなり、結果世の中を動かせるかもしれない、こう思って今のお堅い企業にいる。

HBSとStanfordを並べると、官僚組織とベンチャーの対立構造が想起されるのではないだろうか。性に合っているのはStanford、対極にあるのはHBSと、自分には整理される。HBSに魅かれるのは、ブートキャンプの様な環境で、徹底的にHBS流思考回路を叩きこまれ、Establishment達のコミュニティへの切符を手に入れることが同時にできるからと思っている。

いつか独立するとしても、Establishment達とのネットワークは必ず生きてくるだろう。そんな意味を込めてHBSが行ける行けないに関わらず、志願レベルが上がった。

次にChicago。理論を理論として学ぶのを追求するに最高の環境と思った。HBSの様な軍人養成所は別だが、MITはほのぼの過ぎて理論の追及がさして感じられないし、Whartonでは証券アナリストかCFAの試験勉強をすれば書いてありそうな数式を学ぶ機会が多そうだし、アカデミックレベルで言えば、Chicagoが一番本気度が高いとの印象であったためだ。

意外とアントレが多いのも魅力。またWhartonがCorporate finance寄りであるのに対し、ChicagoがInvestment寄りであり、ここには大きな違いがある。自分は投資により企業経営を活性化していきたい立ち位置なので、これが合致するのがChicagoではないかと思っている。


◆キャリアパス

日本人在校生との会話の時間の大半をキャリアパスに関する議論に充てただけあって、様々な角度から考える機会を得た。

Wharton在校生とは「外資系×ドメスティックビジネス」「日系×グローバルビジネス」のトレードオフについて議論した。MIT在校生とは、商社とPEのValue Upの違いを、「機能ごと海外に持ち出す商社」と、「特定の地域に集積してきた企業同士を繋げるPE」に分けて議論を展開。Chicagoでは極めつけ、キャリアパスを実現する場として、商社内完結か外資を渡り歩くかを語り、大きなInsightを得た。

ここまで複眼的にキャリアパスを考慮できたのは、まさにビジットで多くのバックグラウンドから集まった在校生と突っ込んだ会話ができたからであり、行動を起こした成果と言える。

商社内でキャリアを形成するのであれば、当然社費を考えるべきで、今回のビジットにより社費の可能性がゼロから2くらいまで上昇したことは意味があったことと言える。


◆「サイドをとる」ことの重要さ

ビジットの前提として、会社を辞めて私費で行くというサイドをとっていたがゆえに、私費の思考回路から会う人を選び、キャリアについてリスクリターンについて考えた。会社を辞めるという覚悟を定めたから、今いる会社がとてつもなく別れ惜しい会社に見えるようになった。

サイドをとることによって、見える視点が切り替わるし、話す内容も変わってくる。サイドを取ると、同じくサイドを取った人から突っ込んだ話を聞ける。逆サイドの人からは、逆サイドに引き込むようなロジックで言葉を投げかけられる。彼らのロジックに耳を傾けると、なるほど一理ある。

こうした議論はサイドをとらずして起こり得ない。「社費私費どちらも考えている」と曖昧なスタンスでいると、話す内容も一般論を超えず、相手も議論に乗ってくれない。PEという指定をしなければ、Value Upをキーワードを口にしなければ、今回ビジットでできたような発見はなかっただろう。

今自分がとっているサイドがあるから、全て見つかったのだと思う。サイドをとることも重要だし、サイドを取ってみたら、そのサイドが好ましくないことがリアルにわかるかもしれない。その時は逆サイドに修正すればいい。ただサイドを真に決めていないうちは、逆サイドに修正できる道を残しておくべき。何事も意思決定のプロセスにあたっては、情報収集→分析→決断というプロセスがあるもので、サイドを取るというのは、情報収集→分析までは修正できるが、決断→実行としてしまうと修正できなくなることが多い。

サイドを取って情報収集→分析まで行い、最後に覚悟を持って決断すればよいのである。決断までの時間にサイドを取ったがゆえに得られた突っ込んだ情報とその分析を重ねて、真に進むべき道を自分なりに定めたい。


◆英語力

これは相当痛感した。「サイドを取る」にも繋がるが、1年半後にその場にいて、授業で発言をすることをリアルに想定したところ、全く自分が授業についていけないレベルだと思い知らされた。ものすごいスピードで議論が展開していくのを、聞いて、考えて、すぐに発言に変換しなければならない。

日本での勉強姿勢が甘かったことを如実に感じ、TOEFLテストも何やら言い訳をつけて受けていないのも情けなく思われた。

早速TOEFLを受けるが、それ以外にも、英語で会話をする機会を作り出さなければ、テストは何とかいったとしても、留学実現後に得られるものに雲泥の差が出てくるはず。今から留学中を見据えた英語力訓練を考慮しなければならない。


◆最後に

ということで、ビジットレポートの総括としては、「さらに加速して、キャリアパスを煮詰め、スコアを取り、英語コミュニケーションの機会を増やす」ことを今後推進していく、という一言に括られるだろう。

変な憧れや、MBAインフレみたいなものは終息した今、残っているのは受験プロセスといういばらの道、英語圏での戦いに備えた訓練、キャリアパスという壮大な課題だ。これら一つ一つに妥協せずに取り組んでいくことのみであるので、抜かりなく取り組んでいきたい。

最後に、ここで書くことで直接的には届かないこと承知の上だが、この場を借りてお世話になった日本人在校生と日本の諸先輩方に厚くお礼申しあげる。



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